IRは第3のステージヘ
IRは第3のステージヘ
1993年に日本IR協議会が設立されて早や20年が経過します。
以来日本企業のIR活動も急速な進歩を遂げ、今や欧米企業に肩を並べる程のレベルに達しつつあるとも言われています。
しかしながら、その内実を見ると技術論的なディスクロージャーの整備やIR組織の確立など体制面での拡充が目立ち、
本来の投資家との関係作りとしてのIR活動の域にまで達していないケースが目立ちます。
例えば、長年IRに専念してきた企業が自家撞着に陥ったり、唯我独尊のIRから中々抜け出せない等のケースが
上げられます。
このような状況の中、従来のディスクロージャーを中心としたIR体制の強化に加え、ヒトとヒトの関係を重視した
真の意味での投資家との関係作りを再構築する第3のステージへの移行が必要と考えます。
当社はサイバネティックス理論に基づき、徹底したフィールドワークによる調査を実施、
企業が投資コミュニティの中でどのように位置づけられているか、
現状の経営に対してどのような意見を持たれているか等を徹底的に分析し、
経営サイドにフィードバックします。
調査の精度こそが命
フィードバック調査を提供するIR会社は多々ありますが、問題はその精度です。
フィールドワークした調査内容が現状と違ったものでは
サイバネティックス機能そのものが正常に働かないことになります。
それでは調査の精度とは一体何でしょう。
それは必ずしも多数による定量的データとも違います。
株式市場は「美人投票」であるとジョン・メイナード・ケインズは捉えていましたが、
市場の多くの参加者は自分の意見だけでなく、他者特にオピニオンリーダー的な
参加者の意見に左右されていることを実感させられます。
更に、市場の多数意見がその企業の経営に必ずしもプラスに働かないケースもあります。
少数の意見の中にこそ企業の受け入れるべき方向が隠されている場合もあります。
こうした多種多様な意見を隈なく拾い上げ、分析の俎上に上げることが
フィードバック調査において最も求められることです。
当社は長年のフィードバック調査の経験から、どこに市場に影響を与えうる意見があるのか、
どこに経営に影響を与えうる価値ある意見があるのかという視点を最も重視してきました。
単なるアンケート調査からは伺えない市場の本質を探ることこそ、
フィールドワークの真髄と考えています。